Then and Now!

日本シリーズではON擁する読売に幾度も
跳ね返されて尚、「人気のセ、実力のパ」を
証明するためにセ、パがぶつかる
オールスターゲームでパ･リーグが
目の色を変えた時代があった。

しかし、このテーゼはどれほど頑張っても
セ･リーグの圧倒的人気だけを物語っていた。
つまり「実力の...」は対極の付け足しで。

少年漫画誌には読売を主役に据えた
野球漫画が溢れ、セ・リーグであれば
その他のチームもライバルとして登場できた。

子供たちの認知は実際の野球中継よりも
野球アニメやマンガを通じて広まっていった。
「人気のセ、実力のパ」は正しくは
「巨人がいるから人気のセ、実力のパ」
だったと思うのだ。

事実、現ORIXの阪急などは幾ら強くても
興行面では暗黒の時代と呼ばれた頃もあった。

それでも、セにはアンチ読売のファンもいれば、
忍耐強く、パを支持してきたファンもいる。

ダイエーが九州に根を張り、元読売のV9経験者に
監督としてどれだけ虐げられようと、ORIXから
イチローが清新な息吹をあげた頃から、
その空気が実際に変わってきた。

世界一のファンの後押しを受けた千葉ロッテ。
10年越しのラブコールを実らせて、
バレンタイン・デーを迎えることに成功。

巨人のB面として貼りついた東京ドームを捨て、
北海道に着床した日本ハムの種は
新庄の信条である笑顔と共にアジア１になった。

そして今、ドラフト制度改変やFAに絡めた
読売の我田引水、唯我独尊の専制に、
千葉の浦安からバレンタイン提督の黒船が
号砲一発、口火を切る。

裏金問題の元凶西武を含むパの6球団は
いち早く、今ドラフトでは希望入団枠を
使用しないと大同団結。

日本野球連盟、日本高校野球連盟、
全日本大学野球連盟のアマ3団体に
プロ野球選手会、そして世論を敵に回して
読売も陥落した形となった。

昨年の日本シリーズ、新庄らが自由に輝く
北海道日本ハムに較べて、重い沈黙を守る
落合中日は明らかに古いチームに見えた。

古豪の威厳や伝統を否定するつもりはない。
しかし、セの古臭さ、鈍重さはどこから来るか？
読売という呪縛から解かれない旧態依然の
空気が淀みを与えているのではないか？

今季の開幕戦も主催は横浜ながら、読売の
試合としては史上最低の視聴率を更新。
過去の栄光に縋りつつ、接木、接木の連続で
今や幹の面影はどこにもない幕府。

パの6球団は携帯への動画配信会社の
共同設立を表明するなど足並みを揃える。
その向こうで朽木倒しの明日を迎えるのは御免だ。
雷鳴轟く中では巨木の陰が一番危うい！




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