2008年8月14日木曜日

Seaside Of Love

そこに現れる男たちは子供のように手放しで泣き、

無邪気に笑い、喧嘩もします。


喜怒哀楽は即座に全身を使って表現されます。


いずれも不器用な優しさに満ちているのに、

「愛している」とだけは口にしません。



まるで、そんな言葉の必要性を微塵も感じないかのように
これまた全身で愛を表現するのです。


彼らに愛されるのは家族に捨てられた老婆や

生活苦に喘ぐ女性と幼い娘。



彼ら、彼女らの再生の夢と希望をたっぷり含んだ
海辺のレストランが開店する前に、


当事者の一人は姿を消します。


親友と親友の愛している女性のために、


親友の愛している女性を愛してしまった自らに
鞭を打つかのように。


野良犬を道連れに、皆の前から姿を消す彼の後姿。


しかし、ここには彼と別れた奥さんとの思い出の曲、
マイナーキーの必殺仕事人のファンファーレみたいな・・・は


そぐいもしないし、響きもしません。


男が男であるために、誇りを選らんだ彼だから、
自らの行く手に希望が抱けたのでしょう。



優しさを胸に無職の男が誠実な強さを持って風を切る。





「海辺のレストラン ガスパール&ロバンソン」

・・・という映画を見ました。



S君、『夏』をありがとう☆☆☆








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