2008年11月20日木曜日

I Saw The Light!

座っている大きなビーズクッション。

僕の背後に重みがかかる。


シャッ、シャッ、

一歩、一歩にビーズの足音が、


僕が座っている時限定の、遠慮がち(普段は遠慮なし)な
運びで近づく。


ハッとする驚きと確信とがない交ぜになって振り向く。


あーちんがいた!


「あーちん!あーちん!!」

叫ぶ。


そして頭を撫でる。



さわれた!!

暖かい!!!


何も変わらない!




「あーちん!」

泣き声で名前を呼びながらあーちんの脇に両手を入れて

抱き上げる。



抱っこは嫌がるけど、自分の胡坐の中に入れる。


あーちんは僕を見上げている。


僕もあーちんを見つめると「違い」に気付く。


茶色が以前より濃い。


以前がミルクティーなら今はミルクチョコぐらい。



よって額中央の茶色のチャームも消えてしまっている。


苦笑して、それは余計だよ、と否定されることを望んだ僕の一言、

「前とちがう」


・・・を否定する代わりにかぶせるように、

猫と人の声を合成したように、

やっと意味が聞き取れるぐらいの鳴き声であーちんが言った。




『死んじゃってゴメンね。』



涙が溢れた僕は一瞬、眼を閉じた。

勿体無いことにあーちんから一瞬だけ目を切ってしまった!


その、まばたきの一瞬だけ暗転した僕の視界。



そこへあーちんの声がまた、『死んじゃってゴメンね。』



慌てて目を開くとあーちんは僕の胡坐の中から出て、

僕の背後、トイレの方へ向かって行った。



「あーちん!」と叫ぶと

振り返って

『ゴメンね。』とだけ言った。



「あーちん、あーーーちーーーん」と絶叫した。





目覚めたが、泣いてはいなかった。


夢であれ、触れ合えたのだ。


頭をひとつ、撫でられたのが嬉しくて堪らなかった!



そして、茶色の濃くなったあの姿。



次に出会う時の予告編なんだって


僕は信じているから☆








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