M君のお父さんはM君に物で贅沢をさせていない。
M君はゲーム機やゲームソフトを沢山持っていない。
コミックスだって全巻揃えない。
1円や5円玉の集積であるi-pod shuffleは彼の宝物だ。
僕が懸命に探したノートパソコンとプリンターのセットも
彼の大事な大事なアイテムだ。
その証拠にお父さん手作りのラックの中に誇らしげに
収まっている。
でも、彼の本当の宝物は両親と小2の妹だ。
お父さんは家族を野山に連れまわす。
この頃、少しだけ自分の時間が欲しい彼も、
いつかお父さんのペースに巻き込まれていく。
山や川がお父さんとの遊び場だ。
彼はイマイチ読書をしない。
物欲に支配されない彼を取り巻く周囲の世界が
楽しくて、自分の内面を思索する暇がないぐらいなのだ。
だから、彼は漢字も苦手だ。
しかし、日本語力は全ての学習の根幹を成す。
そこで、僕に小6の漢字ドリルを与えられてしまう。
実は小6の漢字ドリルはこれで2冊目だ。
そのことだって、彼の自尊心は多少傷ついている。
だからドリルもワークも小1とか小5とかの表記をやめて
1巻とかvol.3とかしてくれたらいいのに、といつも思う。
今度のドリルはちょっと高くて、以前のやつの倍以上する。
それを彼に与えたところ、とても愛おしそうに、大切に
書き順の薄字の所からなぞりだした。
そんなのやらなくても出来るよ!
子供なりのプライドと自己主張、そしてらしい怠惰。
大抵の子が、なぞるのは面倒臭がって省く。
読めるから書かなくてもいいじゃん!
彼らのそうした気持ちが充分理解できる僕もその口だった。
しかし、彼はなぞる。
丁寧に、一生懸命に。
筆圧も強く、姿勢を悪くして、彼の顔をドリルにくっつけて。
この、純で愚直で懸命な彼の未来が
彼の納得のいく形で素晴らしいものであって欲しいと思う。
素敵な子供がそのまま素敵な大人であれる
社会であって欲しいと思う。
魚がそのまま住める川や海、
昆虫がいつまでも鳴ける原っぱみたいに・・・・。
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