この頃、生徒達に必要な本やらをネットで頼むことが増えました。
勿論、詳細はこの目で確かめなければなりませんから、
参考書関係が充実している大型店へ行くこともあります。
またネットで品切れならあちこちを探し回ることもあります。
ガソリン代とか手間だとかよりも、その一冊をその子が手にした時の
笑顔や慈しむように書き込む姿の方が数段大事なのです。
しかし深夜の時間も活用できるネットの簡便さはやはり魅力です。
すると、すっかりご無沙汰になってしまうのが地元商店街の本屋さん。
子供の頃、嫌味を言われながらも立ち読みさせてもらいました。
思い出のあれこれが小さな罪悪感となってしこります。
そこで、ある雑誌のバックナンバーを注文に行きました。
しばらく振りに見るおじさんは小さく老いていて・・・
やがて届いた本は最新号でした。
「新聞の切り抜きなり何なり持ってきてくれないと困る」という
おじさんに、新聞の切り抜きを持参して注文した僕は
寂しさを感じ、次の言葉を飲み込むしかありませんでした。
改めて注文しなおして、やがて届いたのは、出版社こそ同じものの
見たこともない誌名の一冊。
一方的に僕に非があるとして責めつける老夫婦の店を
僕は悲しい思いで後にするしかなく、
「今まで色々とありがとうございました」
と同じ意味の「もういいです」を
夕暮れの商店に置いてきたのです。
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