彼女との旅行に出かけるには断腸の思いがありました。
大袈裟でなく今生の別れの覚悟を、思いをあーちんに伝えました。
そして、いたたまれなくなった僕は予定よりも30分ほど早く
家を出たのです。
駅へ向かう途中でドラッグストアに立ち寄った僕は小児用の浣腸を
購入しました。
この時は重度の便秘であーちんが苦しんでいるものと思ったのです。
浣腸を買うという行為はやや恥ずかしく、また普段、必要を感じないので
どこにあるのか皆目見当がつきません。
手近にいた店員さんに尋ねて、そそくさと店を後にしました。
この小さな箱入りの薬品は本当は僕の免罪符もどき。
良心の呵責を数百円の形に僕は摩り替えたのです。
最寄り駅から自宅まで、歩くのも辛そうな彼女に若干の焦りを
感じながら、僕は走り出したい気持ちを辛うじて抑制。
最悪の場面が眼に飛び込んでくる恐怖とも戦わなければなりませんでした。
家に着いたときはもう矢も立ても堪らず階段を駆け上がり、
愛猫の名前を大声で呼んでいました。
果たしてそこには1日と半分を置き去りにされたあーちんが
青息吐息で横たわっていて、それでも僕らを待っていてくれました。
僕は免罪符を取り出し、早速、浣腸をしようとします。
それを冷静な判断で押し留め獣医へ連れていくことを勧めてくれたのは
うちの彼女でした。
脱水症状も起こしうる浣腸はいくら小児用といえども現状では危険。
この判断がなければ、狼狽した僕は手ずからあーちんにとどめをさして
しまっていたかも知れません。
近所の獣医へ、日頃は抱っこも嫌がるあーちんを、
ぐったりとしたまま連れて行くも往診中。
夕方まで戻らない旨の張り紙に非情さを感じる身勝手な僕。
自宅へ連れ戻し、水をやり、後、僕に出来ることは声をかけ続けること。
その間、彼女は獣医へと何度か様子を見に走ってくれました。
自らの不調を押しての彼女の献身的な行為と冷静な判断なくしては
あーちんの今日があったかどうか、
それは相当に疑わしいものだったと思います。
いや、僕一人であったら、目の前の現実を受け止めきれたかどうかも
判らない衰弱状態。
そこからあーちんは這い上がってくれたのです。
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