2008年6月10日火曜日

Death Alley Driver

「そんなヤツはぶっとばしちゃえばいいんだよ!」


昨日のブログに明解なコメントを寄せて頂いた。

主は高校時代からの僕の親友。


この乱暴で単純明快な一言に僕は痛快さを感じた。
正直言えば事態の深刻さを省みず、一瞬、吹き出してしまった。


しかし、その直後、全く別の思いにとらわれた。

犯人は生涯、どれだけ「ぶっとばされて」きたのだろう?

本気で「ぶっとばして」くれる人間はどれだけいたのだろう?



犯人に「彼」のような友人が、十代のうちから存在していたら、
「彼」はきっと見捨てることなく、何度でも何度でも

強く、優しく、熱く「ぶっとばして」いただろう。



犯人は「非常に教育熱心な家庭」に育ったという。

子供が早熟型で、
「早くからデキる子の親になった親」は

概してその子の学習成果で『はしゃぐ』。

これを「教育熱心」と一緒にしては欲しくない。

「学ぶ姿勢で共にあり」「学ぶ空気を作る」こと
「学びの楽しさ・意義を共有する」ことと、


教育費をつぎ込むこと、モンスターペアレント化することは
全く別次元のものだ。


デキる子の親がデキる子の親であり続けるために陥りがちなのは
条件付の愛情を注ぎ、条件次第でその子を承認する毎日だ。


「進学校に通う」息子だから
「学業優秀な」息子だから


愛し、愛されてきた子供なら、そのアイデンティティを
一瞬にして失い得る。



「ナルシスト」「素顔を出していない」と
犯人を精神分析した専門家・・・


彼も「かぶりもの」を取らないナルシストであり、
素顔を出してはいない。


犯人は他者に素顔を晒すために必要な強さを学ばずに
裸になる恥ずかしさだけを教えられてきたのではないだろうか・・・


意固地な強さは「しなう強さ」「竹の強さ」に劣る。

正直に己の弱さを認められない魂は哀れでもある。






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