2007年6月14日木曜日

The Rookie

「彼は何者だい?」そりゃそうだろう。「松井の先輩です。」だって。松井起点でものを言うとか、そのカーブがレインボー(ボ)-ルだとか。いかにも日本(の)TV目線の伝え方で、そこまでにあったドラマを矮小化(一昔前ならマンガ化といった所)して欲しくない。「マンガばっかり読んでいると馬鹿になる」と言われていたのはその昔。そうして目を吊り上げていたお母ちゃん達がそのマンガを原作にして、それも数段、出来を悪くしたドラマに夢中だったりする。さらに脚本から照明まで、もうどうしょうもない回顧的演出、大時代錯誤的韓流にどっぷり。とあっては、もう一言もないでしょう。あなたのご贔屓俳優の自国での発言を聞いたら...、それでも平然としてるおばちゃん達はわんさか居そう!外国人が海外で人気商売に就くというのは双方の国民感情や歴史なんかの煩雑なことを考えないとならないのだろう。日本人であることをひた隠しにして韓国で成功した女優もいたっけ。そうした中、長年勤続した読売から冷遇され、メジャーへ活路を求めた桑田投手がフットライトを浴び始めた。勝負の世界に年齢は関係ない、のだから、何歳の彼がメジャーに上がろうとそこだけで評価するのは彼にも無礼だ。2イニング投げて2ランHRによる失点2。ここまでは「大した」仕事はしていない!読売に飼い殺し、追い出された中年投手が米国でも怪我を乗り越えてメジャーに昇格した。そうした浪花節があるだけだ。しかし、来日した助っ人が代理人も通さず、自ら日本語を操り、それのみか第二言語であるスペイン語(ここで言えば関西弁か?)まで学習中とあったらどうだろう。溶け込む姿勢や意欲、そして練習方法や調整までが他の選手の範となるのだとしたらどうだろう。パイレーツ上層部が「カリズマティック」と表現したのは、巷に溢れる「カリスマなんとか」とは一線を画したものではないだろうか?静かに、凛とした巨人ぶりを発揮した助っ人といえば現役を退いた後も米国で後進の指導に当たるのみではなく、大洋球団とのパイプを勤め、先日、物故されたクリート・ボイヤー氏を思い出す。大洋、横浜大洋、横浜と名を変えてもこのチームの外国人野手は綺羅星の如く。タイトルホルダーも数多いる。 プロレスもどきで晩節に一色加えようとするクロマティ辺りとは人間が違うのだと思う他ない。「オールド・ルーキー」という映画がある。ドジャースでクローザーとして大活躍する元横浜の斉藤隆投手を連想させたその映画も、今や皆が思いを重ねる存在は桑田だろう。斉藤はそれほど安定、充実してしまったし、桑田の抱かせる「ある種の刹那感」が判官贔屓の声援をより集めるように思う。でもね、一念発起した中年米国人男性のアメリカンドリームの実話に基づくこの映画、現代はただの「ルーキー」なんだ。年齢なんか関係はない。「女性に年齢を訊くなんて失礼だ」。あなたの目の前にいる女性にはもっと他に訊くべき内容がある人物なのだから!サントラを聴きながら思う。“The Rookie”、桑田の真実のドラマを下手な脚色や演出で小さくまとめて欲しくはない。TBSプロレスの轍を亀田親子でも繰り返し、最近ではハミカミだかの高校生ゴルファーに涎を垂らしてコース上にヘリまで飛ばす様なTV屋は本当のドラマツルギーの邪魔だ。




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