颯爽と登場したホワイトナイツの「彼」が
僕の部屋にかけられた呪いを解いてくれている間、
階下では戦いの炎が再燃。
お袋は荷物をまとめながら、相変わらず
自虐的な口撃を鋭意続行中でした。
声を押し殺す分、凄味は増すようです。
それに対する親父はスタミナ切れ。
かくしてお袋の自爆テロが一方的に炸裂!
ここまでくると、ほんの一言で大逆転できるのに、
状況を切り返さないのは親父の語彙不足ではなく
器の大きさなのではないかとさえ思えてきました。
さて、思った以上に手際よく作業を終了し、
二人の前に姿を表した「彼」の存在は
お袋を少なからず狼狽させたようでした。
その場を取り繕うように、不必要な一言を
そして「彼」に投げかけたのです。
「あんた、どうして実家にいたの?」
その一言に複雑な笑みを少しだけ浮かべた「彼」は
躊躇せず、自分が離婚した旨を告げました。
彼は、もうスッキリ、自分の中では解決済みなんだと
言外に伝える配慮を見せながら、思い遣りを込めて
その経過を淡々と僕らに語り始めました。
深更に時だけが静かにその歩みを重ねて行きます。
時と寄り添う言葉のようで彼と彼女もありたかった筈。
しかし...、
「やはり職人と自分の歩む道を持つ嫁とでは・・・」
この地雷フレーズが彼の口からこぼれた刹那です。
正に百万の味方を得たという勢いで親父が
突如の逆襲を開始。
曰く、職人の妻に必要なのは気働きがどうたら、
3歩下がってどうたら、内助の功がどうたらと、
日頃の無口が嘘のように、
水を得た魚が立て板を滑り落ちるようです。
深夜の反撃、しかし、あくまで「彼」を擁護する体で、
直接にお袋を攻撃は出来ない、無駄に弱気な
闇夜の重爆撃機のスクランブルは、
彼の乗るクルマを見送った僕が
一瞬の隙を突いて四たび、
部屋へ閉じこもった後も延々と続いたのでした。
これまでとは違って閉じこもる素晴らしさを
実感しながら、僕が手にした本は
教え子のT君から借りたもの。
とことん理性的であろうとする男と、自分が飽くまで
論理的であると疑わない感情的な女の会話で進捗する物語。
「もつれっぱなし」。
そうタイトルの書かれた表紙を見ながら、
今夜なら、これを上回るものが書ける。
そんな気がしてならない僕でした。
ドアノブ取り付けの翌朝、真実は
さらに展開するのですが、
これ以上は「彼ら」の名誉のために割愛致します。
長々、お付き合い頂き、ありがとうございました☆
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